歯科医院の選び方
Choose
矯正治療を行うにあたって、どの歯科医院で治療を行うかは極めて重要です。
一般的な歯科治療と異なり矯正治療には専門的なより高度な技術が求められるため
必ずしも、かかりつけ医(担当医)がいる歯科医院で矯正治療を受けることが
最善とは限りません。
現在、日本の法律では歯科医師であれば、虫歯治療等を行う一般的な歯科治療は勿論、小児歯科、口腔外科、矯正歯科と、どの専門科目を標榜しても構わないことになっています。
しかし、これでは診療科目を見ただけでは、どの程度の技量を持った先生が治療に当たっているのか患者さんには分かりません。
矯正治療は専門性が非常に高く、知識・経験も必要とされるため、日本矯正歯科学会が矯正歯科治療に関して、適切に且つ十分な学識と経験を有する歯科医師を公認する資格を創設しました。この資格の中に「専門医」「認定医」があります。
全国には約10万人強の歯科医師がいますが、そのうち矯正専門医が約300人、矯正認定医が約3,000人いるとされています。つまり、矯正の「専門医」「認定医」というのは全歯科医師の約3%しかいません。そのため、この資格をもつ歯科医師は厳しい研修や学会に参加し、専門性の高い治療技術を身につけた矯正治療のスペシャリストと呼ぶことができるため、より「専門医」「認定医」の元では、安心した治療を受けることができます。
矯正治療は一般的な治療と異なり、長期間に渡っての治療となり、より慎重に安心安全な治療が求められます。そのため、患者さんの状態や要望をしっかりお伺いできるカウンセリング、正確な検査や診断が行える環境が必要です。治療とは別に、しっかりとカウンセリングや検査の時間を設定している歯科医院かどうかが重要です。
矯正治療には歯の表面にブラケット(ワイヤー装置)をつけて行う矯正治療以外にも、様々な治療法があります。
例えば、定期的にマウスピースを付け変えることで歯列が治っていくマウスピース矯正(インビザライン治療)や、歯の裏側にブラケットを装着する舌側矯正(リンガル矯正)があります。装置によって、治せる症例や治療期間が異なることもあります。また、子どもか大人かによっても治療内容はおおきくことなります。
一つの治療方法だけでなく、カウンセリングや検査で得た情報を元に、複数の治療方法の中から的確な治療方法を提案し、治療計画、治療方針を立てられる歯科医院かどうかが重要です。
矯正治療が日々進化していくに伴って医療設備も常に進化をしています。
そのため、先進設備を導入している歯科医院かどうかは選び方の一つのポイントになります。
例えば、昔は歯の型を採る際にアルジネート、コンパウンド、シリコーンや酸化亜鉛ユージノールといった印象材を長時間口の中に入れて、患者さんの歯型を採っていました。しかし、現在では光学印象といって、歯を専用の機械でなぞるだけで、患者さんの歯型を採ることができるようになりました。
このように常に先進設備、機材を導入しているかどうかもしっかりと確認する必要があります。
矯正治療は専門性が非常に高く、知識はもとより、何よりも経験が必要です。つまり、治療の実績が豊富かどうかは矯正歯科のクリニックを選ぶ上では重要になります。
ホームページをご覧いただき、治療実績等を確認することをお勧めします。
歯科医師が矯正治療を学ぶには多くのセミナーや学会、他のクリニックに通って研鑽を積む必要があります。
高名な歯科医師などのセミナーでは、年間コースで何百万円ほど掛かるセミナーが一般的です。多くのセミナーや学会にて、毎月休日返上や診療を休んで研鑽を積んでいき、それを何年も繰り返して高い歯科医療技術を身につけることができます。
矯正治療は自由診療のため、一般的に多くの治療法を学んできた歯科医師の治療費(医療費用)は高くなります。
また逆に臨床経験が少ない歯科医師、または若手で矯正治療の経験を積みたい歯科医師は安い治療費としていることが多いです。
一般的に矯正装置をつけると、歯磨きが難しかったり、歯に負荷がかかったりと多少のリスクを伴います。そのため、万が一、矯正治療中に虫歯や歯周病になってしまった場合に矯正治療を中断し、先に虫歯治療や歯周病治療を優先しなければならないこともあります。
矯正の専門医院を標ぼうしている歯科医院の中には、矯正治療以外の治療を行うことができない歯科医院も存在します。
その場合は虫歯や歯周病治療の時だけ、転院しなければならなくなる可能性もあり、非常に不便です。