歯並び
切端咬合
切端咬合(せったんこうごう)とは、下顎が前に出てしまい、本来は上の前歯が下の前歯の前にあるはずが、上下の前歯の先端がちょうど当たる状態のかみ合わせを言います。受け口や反対咬合などといった症例と似ていますが、反対咬合(受け口)は下顎が切端咬合のかみ合わせより前に来た場合を言います。
切端咬合の治療方法として前歯だけよりも噛み合わせを全体的に改善する治療法が望ましいケースが多いです。治療時期としては、顎の成長期に矯正治療を行うことが最も望ましいと言われます。
噛み合わせた際に前歯へ掛かる負担が大きくなるため、将来的に欠けてしまったりするリスクが大きくなります。また、最悪の場合割れてしまうと歯を残すことが難しくなってしまい、抜歯してしまう必要が出てきます。そうなると抜けた歯の代わりに人工歯(補綴物)を入れる治療が必要となります。見た目が気になる箇所ですので、入れ歯よりもインプラント治療の方が優れていますが、ご自身の歯が残せるのであればそれがベストです。
そもそも奥歯(臼歯)の噛み合わせが悪いので、しっかり噛めているとは言えない状況となっています。そのため消化が悪くなります。また、噛み合っていないものを無理に噛み合わせることで顎にも負担が掛かってしまい、顎関節症などを引き起こすリスクが高くなってしまいます。見た目には分からないところですが、切端咬合を治療する本当の価値というのはここにあるとも言えます。
骨格性の切端咬合の治療は、乳歯列期の年齢(5歳くらい)から治療を開始すると上手くいく傾向にあります。逆に永久歯が生えそろってしまってからだと、顎の成長期は終わってしまっているので、切端咬合の子どもの矯正治療は難しくなってしまいます。成長期に、歯が並ぶ土台である顎がどのように発達するかはとても重要なのです。
例えば、歯を並べるスペースが作れないまま成長期を終えると、矯正治療について抜歯治療が必要となるケースが多くなります。また、切端咬合の原因が反対咬合(受け口)になってしまっている場合、成人であれば外科矯正治療となることが一般的です。この外科的矯正治療とは、一般的な矯正歯科専門クリニックでは行われていません。口腔外科がある病院などで、外科手術(骨切術)などにより、顎を切り、後方や前方に動かして噛み合わせを調整するものです。
尚、切端咬合となってしまったのが骨格的な原因で、顎変形症や顎関節症など病名が診断された場合は、健康保険適応となります。ここが美容外科とは違うところです。保険治療ですので治療費の負担は軽くなりますが、入院やオペのリクスその後の経過などを考えるとやはり大変なことです。
そのため骨格性の切端咬合は乳歯列期や永久歯が生え揃う前の混合歯列期の子供のあごの成長期間に合わせて、事前に歯列矯正治療をしておくことがとても大きな価値があると言えます。
歯並びを悪くする原因から治していく矯正治療です。顎の成長期である5歳から始めることが出来ます。
悪い癖である口呼吸、舌低位、悪い飲み込み方を改善させ、顎を正常に発育させていくだけでなく、子供たちを健康に導く治療方法であります。顎の成長期にしか行うことができなく、成長期が終わってしまっている場合は、このマイオブレース矯正治療は出来ませんので、その場合は大人と同じ矯正治療が必要となります。
主に成長期の間だけに使用される装置です。特に上顎の奥歯の歯列を横方向に広げることによって、歯並びのスペースを確保することが出来るようになります。取り外しが可能ですが、一日のうち一定時間は、必ず取り付ける必要があります。
透明で目立ちにくいマウスピース型の矯正装置を使用した、インビザライン矯正という治療法もあります。全世界700万人以上が受診する信頼性の高い矯正システムです。
原因や程度によっては、成人の切端咬合でも対応できる可能性があります。使い方は一日のうちで一定時間、この装置を付けておくだけです。しかも、取り外しが可能なので、お食事や歯磨きなどはこれまで通りの方法で行うことができます。見た目にも感覚的にもストレスが少なく、また、切端咬合の原因が前歯の一部分だけであり、軽度なものであれば、より短期間で費用も抑えられる部分矯正治療で治る可能性もあります。